バカラのタイは、最大8倍の配当が設定されているため、一見すると短時間で損失を取り戻せそうに感じられ、プレイヤーから注目されやすいベットである。しかし、高い配当率=高い利益とは限らない。出現確率、配当率、期待値の3つの観点から見ると、タイは3種類の基本ベットの中でもハウスエッジが最も高い選択肢である。長期的に考えると、プレイヤーにとって最も不利なベットの一つと言えるだろう。

▲バカラの確率分析
バカラのタイはどう判定される?
バンカーとプレイヤーがドローを終えた時点で、最終的な点数が同じ場合(たとえば両者とも7点、またはどちらもナチュラル9など)、タイと判定される。タイに直接ベットして的中した場合、一般的な配当は8倍である。たとえば100円をタイにベットして的中すると、800円の純利益を獲得し、元本100円も返還される。
一方、バンカーまたはプレイヤーにベットしている場合にタイが成立すると、従来のバカラではベットした元本がそのまま返還され、勝負は計上しない。(特殊ルールを採用しているゲームを除く)。
タイが出現する確率はどのくらい?
一般的な8デッキのバカラを例にすると、3つの結果の理論上の確率はおおよそ以下のとおりである。
| 結果 | 現れる確率 | 一般的な配当 |
|---|---|---|
| バンカー | 45.86% | 0.95:1 |
| プレイヤー | 44.62% | 1:1 |
| タイ | 9.52% | 8:1 |
タイの出現確率は約9.52%で、平均すると約10.5ゲームに1回の割合になる。ただし、これは大量のゲームを行った場合の理論上の平均であり、ゲーム10回またはゲーム11回ごとに必ず1回タイが出るという意味ではない。実際のゲームでは、タイが連続して出ることもあれば、ゲーム20回以上、あるいはそれ以上の長い間タイが出ないこともある。したがって、タイが長時間出ていないからといって、「次のゲームではタイが当たりやすくなる」という考え方は危ない。
8倍配当でもなぜお得ではない?
タイの出現確率を約9.52%とすると、ハウスエッジを考慮しない公平な配当率は約9.51倍となる。しかし、多くのカジノでは8倍の配当しか提供されておらず、適正とされる配当より低く設定されている。この差が、カジノ側のハウスエッジが生まれる主な要因である。
期待値を計算すると、タイベットのハウスエッジは約14.36%にもなる。つまり、100円を繰り返しベットした場合、長期的な理論上の損失は平均14.36円に相当している。短期的にはタイが的中して利益を得られる可能性もあるが、長期的に繰り返しベットすると、配当率が十分ではないことによる不利が徐々に大きくなる。
バンカー・プレイヤーへのベットと比べてどれくらい違う?
標準的なバカラでは、バンカーへのベットのハウスエッジは約1.06%、プレイヤーへのベットは約1.24%であるのに対し、タイへのベットは約14.36%である。
| ベット項目 | ハウスエッジ | 100円ベットした場合の長期的な理論上の損失 |
|---|---|---|
| バンカー | 約1.06% | 約1.06円 |
| プレイヤー | 約1.24% | 約1.24円 |
| タイ | 約14.36% | 約14.36円 |
このように、タイへのベットは、バンカーやプレイヤーへのベットと比べて理論上のコストが明らかに高くなる。的中した際の配当は高いものの、出現確率が低く、配当率も十分ではないため、長期的なメインベットとしてはおすすめできない。
9倍配当のタイはベットする価値がある?
一部のバカラでは、タイに9倍の配当を設定している場合がある。これによりハウスエッジは約4.84%まで下がり、8倍配当よりは有利になる。しかし、それでもバンカーの約1.06%、プレイヤーの約1.24%というベットコストと比べると、依然として高い水準である。配当率が上がったからといって、プラスの期待値になるわけではない。追加のキャンペーンやボーナスなどによってハウスエッジの不利を補える場合を除けば、長期的にベットを続けても期待値はマイナスのままである。そのため、タイを長期的なメインベットとして選ぶことはおすすめできない。
よくあるタイベットの誤解
タイが長時間出ていないから「そろそろ出るはず」と考えるのは、ギャンブラーの誤謬にあたる。過去の結果によって、次のゲームでタイが出る確率が高くなるわけではない。
また、タイをバンカーやプレイヤーへのベットに対する「保険」と考えるのも適切ではない。タイそのもののハウスエッジは非常に高く、各ゲームでタイへのベットを追加するほど、長期的なベットコストが増えていく。実際のリスクを軽減する、いわゆるヘッジ効果を得られることはできない。
なぜタイへの長期的なベットはおすすめできない?
タイへのベットをおすすめしないのは、タイが出ないからではない。配当(8倍)が低い出現確率に対して十分ではないため、ハウスエッジが約14.36%と非常に高くなるからである。これは、バンカーの約1.06%、プレイヤーの約1.24%と比べても大きな差がある。
数学的な期待値で見ると、バンカーへのベットが最も有利で、次いでプレイヤー、タイは長期的なベットには非常に不向きである。高い配当率を追い求めたり、罫線を過信したりするのではなく、出現確率と期待値を理解することが重要である。
